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Hamburger ConcertoとMother Focusの間の深い溝

オランダ発で世界的に成功したフォーカス。

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SylviaやHocus Pocusなどが有名であるが、1974年のHamburger Concertoと翌年1975年のMother Focusの音の違いの大きさに触れた論評は見たことがないので、このあたりを考えてみたい。


Hamburger Concertoまでのアルバムは、3分程度の小品数曲と、いかにもプログレ的な大作で構成されている。
作曲はギターのJan AkkermanとボーカルのThijs Van Leerでだいたい半分ずつ担当。





例えばこの曲のスタジオ録音盤ではおよそ20分強の長尺の各パートをこの二人が書いている。



これが次作のMother Focusになったとたんに3分程度のものが12曲という形になってしまう。
Jan Akkermanが作曲に関わった曲は、彼だけが書いた"All Together ... Oh That!"も含め、わずか4曲。





アルバム全体は爽やかなフュージョンといってもよい仕上がりになっており、公園の日向で寝そべって聴いたりするにはピッタリである。
しかしJan Akkermanが書いた曲でさえ、もはや前作までの面影はほとんどない。


この直後にJan Akkermanは脱退してしまい、代打でブルガリア出身のPhilip Catherineが加入するが、鳴かず飛ばずで78年に解散してしまう。

フォーカス解散直後のPhilip CatherineがLarry Coryellと共演してるのを聴いて推察するに、フォーカスも大作主義からフュージョンっぽい商業的な作品へ移ろうとしていたのだろうと思われる。




1975年はツェッペリンのPhysical Graffityやピンク・フロイドのWish You Were Hereがヒットしたタイミングである。
大作主義を捨てるのが早すぎたのかもしれない。


管理人K (久保田直己

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