ロッキンオンがシカトしたプログレ
2014年5月号のロッキンオン、発刊以来初のプログレ特集。
「プログレ、この30作」やロバート・フリップのインタビューなど、プログレ・ヲタクにとっては非常に読みごたえのあるものだった。
特集の巻頭「プログレの本質とはなにか。それは、曲が長いことである。」というのには、思い切りずっこけたが、まあ屁理屈こねるよりは一理あろう。
ただ、この巻頭の文の続きといい、特集で取り上げられた30作といい、どうにもすっきりしないので数日考えていたのだが、何が欠けているのかふと気が付いた。
プログレの重要要素のひとつは変拍子である。
楽曲の構成や演奏力の高さには触れているのだが、変拍子については一切触れていないのだ。
確かにピンク・フロイドは"Money"などを除けばあまり変拍子はないし、クリムゾンにおいても"Lark's Tongues in Aspic II"のような極端な例のほかは意外にノーマルな拍子だったりする。
しかしジェネシスやイエス、ソフト・マシンなどを題材にする場合、変拍子抜きには語れないだろう。
この観点から、今回取り上げられた「30作」を振り返ると、ノミネートされていないバンドが浮彫になってくる。
UK
7拍子
Bruford
16分の19
Hatfields & The North をはじめとするカンタベリー一派(ソフト・マシンやゴングはランクインしているが)。
これは比較的ノーマルなリズムだが。。
とりわけ編集後記においては「ビル・ブラッフォードのドラミングはプログレそのものだ」とまで言い切っているのである。
せめてビルについては、イエスやクリムゾン、ジェネシスだけでなく、彼自身がやりたかった音楽にまで言及してほしかった。
管理人K (久保田直己)
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