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夏フェスでの人種差別

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毎年夏、フジロックやサマソニを楽しませてもらっているが、かなり過去の話とは言え、まさかこうした夏フェスの場で人種差別が堂々と行われていたとは思わなかった。
しかも日本人による日本人に対しての差別である。
一言で書いてしまうとちょっと理解し難い事態であるが、まずパンクバンド SNAIL RAMP のタケムラ アキラ氏のブログを全文読んでほしい。

「夏フェスで受けた人種差別~ SNAIL RAMPの作り方・26」

このブログによると「海外・国内のバンドが入り混じり世界的なビッグネームも出演する一大イベント」での出来事だという。
タケムラ氏はフェスの名称を明らかにしていないが、こうした夏フェスはいうまでもなく冒頭の二つしかない。
そこでのバンド・メンバーの食事について「海外バンドのメンバーに"日本人とは食事エリアを別にしてくれ"と言われまして.....」とスタッフに言われたそうだ。
それに対してタケムラ氏は「それは日本人に対する人種差別ってことですか?」と訊き、続けて「そんなのおかしいだろ!今すぐそれをやめさせてください。このイベントが人種差別を許すのであれば、そんな場所にはいたくもない。俺はライブをやらないで今すぐ帰るから。もしメンバーが残ると言っても俺は帰るから」とブチ切れている。
その抗議の後、食事スペースは日本人にも開放されたそうである。

さらにまた2009年にはDragon Ashの桜井氏が、楽屋での差別的な扱いについてブログで怒りをぶちまけていた。
こちらははっきりとサマソニの大阪と明記している。
既にブログは削除されてしまっているが、ネット上にアーカイブされていたものをキャプチャ画像で引用させていただく。

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もちろん契約によっては、ケータリングがギャラに含まれていたり、いなかったり、バンドごとにいろんなケースがあるだろう。
また、スタジアムでヘッドライナーを務めるバンドと、朝一番にオープニング・アクトとなるバンドの扱いが違うのは当たり前である。
しかし、楽屋での食事の扱いの線引きが「xxx人だから」という理由であれば、それは人種差別と言うしかない。

SNAIL RAMPの件に戻るが、タケムラ氏が受けた差別に対する対応は極めて正しい。
通常、人は思いもよらない差別を突然受けた場合、沈黙し固まってしまう。
まず何が起こったのか理解する力が停止してしまい、さらに続けて恐怖感に囚われるからである。
これを差別による「沈黙効果」という。
差別をする側は、差別の対象者を沈黙させたうえで、ますます増長した態度を取る。
だからこれを突破するには、速攻で激しく抗議するしかない。
まさか強く抗議されることはあるまいと舐めてかかっているのも差別側の態度の典型であり、ブチ切れられると驚いて逆に引かざるを得なくなるのだ。

Dragon Ashの出来事からちょうど10年が経過し、今年のサマソニではB'zが日本人として初めてのヘッドライナーを執ることになった。
そして、近年は欧米だけでなくアジア各国からも多くのバンドが参加している。
まさか未だにこんな差別が残っているとは思いたくもないので、招聘側には楽屋でも客席でも人種差別がないよう、ぜひ改めて徹底的な点検をしていただければと思う。


管理人K (久保田直己


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