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惨々たる日本のロック誌

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2013年春、「WHAT's IN?」と「PATi・PATi」誌が休刊
同年秋には「クロスビート」誌休刊
その前年2012年の時点でも「サイゾー」にて“絶滅寸前”といわれた音楽系メディアである。

1990年代には10万部以上出ている音楽雑誌もありましたが、現在では比較的売れている情報誌で数万部、グラビア中心の専門誌では数千部しか売れていません。(「サイゾー」から)


では実際のところ、ロック系の雑誌ってどれくらい売れているもんなんだろうか。
雑誌の「発行部数」については、一般社団法人・日本雑誌協会が定期的に発表しているが、これはあくまでも「発行部数」であって「実売数」でないうえ、限られた雑誌の情報しかわからない。

その「発行部数」ですら、そして音楽系メディアではなく一般雑誌ですら、絶望的な状況を呈している。GarbageNews.Comが、2014年2月に日本雑誌協会発表の数字で記事にしているので参照してみたい。

例えば一般週刊誌として三か月で70.9万部と最も「発行部数」の多い「週刊文春」でも対前年-1.6%。
写真誌の「Friday」は-12%と二桁で部数を減らしている。
SPA!だけは何とか7.6%の伸びだが、それでも2008年と比較すると半減だ。。。


雑誌の実売数は、文教堂が店頭の数字を公開している。
総合週刊誌では、2014年3月3日から4月7日の一か月間での販売の数値でトップの座にいるのがやはり週刊文春。
それでも文教堂全店舗を合わせて、2,686部に過ぎない。

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音楽誌は、2014年1月10日から3月10日の2か月間のデータになっている。
ロック系では一番売れている「BURRN!」でも文教堂全ての店舗において2か月間でたったの862部。
「ロッキンオン」は。。

一番下にあった。357部。一か月で179部。。。 orz
こりゃ、Real Soundが「そして、メタルと老人が残った」と書くのも無理ないわ。


ここで「ロッキンオン」の実売数を算出してみる。大きなお世話だが。
日本雑誌協会の数字と、文教堂の数字では四半期がひとつずれてしまうけれど、まあ「週刊文春」と「ロッキンオン」の比率は変わらないという前提で。
「週刊文春」は三か月で70.9万部の「発行部数」で、文教堂での「店頭実売」は一か月で2,686部。「ロッキンオン」の文教堂での「店頭実売」は一か月で179部。

「ロッキンオン」の一か月の推定「発行部数」は、70.9万 / 3 x 179 / 2,686 = 15,750

うむむむ。こりゃ一か月の実売が一万を切っている可能性もあるっぽい。
定価が619円だから、一万部としても、一か月の売上は619万円か。。
これから印刷費とか運送費とか差し引いたら粗利になるけど、どのみち、大人が何人も食っていける金額じゃないっすね。
あとは広告費で埋め合わせるんだろうけど、広告の価格なんて、「あって」「ない」ようなもんだから、部数減らしてたら、クライアントから思い切り足元見られるだろうな。
雑誌単体だけでなく会社全体としても、フェスとか物販とか、他の事業領域で稼がないとやばそう。

過去の「ロッキンオン」はレコード会社にあまり気を使わない舌鋒鋭い突っ込みが多かったけど、最近の来日コンサートの記事でクラプトンでもストーンズでもジェフ・ベックでも「若かった!すごかった!」しか書かなくなっちゃった要因がこういうところにあるなら、メディアとしては不健全だ。

ここに「ロッキンオン」社のアフィリをおいとくので、せめて何か買ってあげてください。
焼け石に水かもしれないけど(涙。


管理人K (久保田直己




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